経年劣化 (振動・熱による疲労)
冷媒配管は運転のたびに膨張と収縮を繰り返し、ろう付け部やフレア接続部に微細な応力がかかります。10 年超の機種で微小漏れが増えるのはこの疲労が主な原因です。
松戸市の設備工事店が解説 / エアコン故障 徹底ガイド
「ガス漏れかもしれない」と検索される方の多くは、業者から「補充だけで様子を見ましょう」と言われて不安になった方です。 このページでは、実際にどこがどう漏れるのか、プロがどう調査するのか、正しい修理手順とは何かを、 松戸市周辺で年間 4,000 台以上を施工する現場の視点で図とともに整理しました。
INTRO
エアコンの心臓にあたる「冷凍サイクル」の中を循環している冷媒 (R32・R410A などの熱交換ガス) が、配管や部品の隙間から外に漏れてしまう故障です。
冷媒はエアコンの「熱の運び屋」です。少量でも漏れて充填量が規定を下回ると、 熱を運ぶ量が減り、冷房・暖房の効きが徐々に弱くなります。放置すると、 太管 (低圧側) が凍って霜が付き、送風ファンに氷が当たる、 コンプレッサーが自己保護で運転を絞る、といった二次症状に発展します。
「少量だから大丈夫」ではなく、少量でも症状は必ず出る、というのがガス漏れの特徴です。 使用開始から 5〜10 年で徐々に効かなくなってきたエアコンは、まずこの可能性を疑います。
家庭用エアコンで現行主流の冷媒は R32 です。少し前の機種では R410A、 2015 年より前の機種の一部では R22 が使われています。 R22 は生産・輸入が終了しており、補充用の入手が難しく高価になっているため、 R22 機種で漏れが判明したら本体交換を強くおすすめしています。
R32 は R410A に比べて地球温暖化係数 (GWP) が約 1/3 と環境負荷が軽く、 最新機種ではほぼ全社が採用しています。
WHY
家庭用エアコンで実際に多い漏れの原因を、大きく 4 つに分類しました。「経年劣化」が一番多いのですが、施工不良と外的要因も相応の割合を占めます。
冷媒配管は運転のたびに膨張と収縮を繰り返し、ろう付け部やフレア接続部に微細な応力がかかります。10 年超の機種で微小漏れが増えるのはこの疲労が主な原因です。
取り付け時のフレア加工がきちんとされていない、あるいは締付トルクが不足していると、初年度から少しずつ漏れる状態になります。1〜3 ヶ月で顕在化することが多い症状です。
屋外の被覆に小動物のかじり傷が入る、外壁作業や庭木の伐採で配管をぶつけるといった外的損傷でも漏れが起きます。目視で分かりにくいのがやっかいな点です。
サービスポートのムシ (バルブコア) は小さなゴム部品で、経年で硬化・変形して微量漏れを起こします。ゲージ着脱時に押し込んでしまうケースもあります。
LOCATIONS
上の図の 7 箇所を、それぞれ「何がどう起きているのか」まで掘り下げます。
銅管をラッパ状に広げてナットで締める接続部。フレア面のキズ・偏芯、締付トルクの過不足、共回りによる緩みがあると微小漏れが起きます。当社の調査では最初にリークチェッカーとリークスプレーで必ず確認する箇所です。
室外機側の冷媒配管の元栓にあたる部品。バルブステム (回す軸) 部のパッキン劣化、六角キャップの締め忘れなどから漏れが起きます。年数の経った機種ほど頻度が上がる部位です。
サービスポート内部の弁で、ゲージホースを繋ぐと押し込まれて開く仕組み。ゴム部の硬化や、ゲージ取り外し時のトラブルで微量漏れを起こすため、当社では気になった時点で交換して再確認するのが基本です。
アルミフィンと銅パイプで構成される熱交換器は、腐食・振動疲労・物理衝撃で微小穴があくと漏れの原因になります。特に沿岸に近い地域や、犬猫の尿がかかる屋外機は室外側の熱交換器の腐食が進みやすい傾向があります。
壁の内側や被覆の中で、経年の摩耗や外的衝撃で銅管に微小穴があいて漏れることがあります。目視で見えない場所のため、リークチェッカーで区間ごとに絞り込む診断が必要です。
熱交換器や配管の分岐部は銀ろうで接合されており、まれに工場出荷時から微小漏れがあります。初期不良に該当するケースで、購入後 1〜2 年以内であればメーカー保証対応となる場合があります。
CHECK
漏れ検査は 1 つの手法で完結しません。①スクリーニング → ②局所確定 → ③気密保証、という 3 段構えで組み合わせて使います。
半導体・電子式のガス検知器で、微量な冷媒漏れを吸引・検知して発報します。 全体を素早くスキャンして「どの区間から漏れているのか」を絞り込むのに向いています。 強風や外気ノイズに弱いのが弱点で、屋外では風を防ぐ工夫をしながら測ります。
泡状の液体を吹きかけて、泡の湧き方で漏れを目視確定します。 フレア接続部・サービスバルブ周りなど狭い箇所の局所判定に強く、 リークチェッカーで反応した箇所を最終的に「ここが漏れています」と特定するのに使います。
配管を窒素で加圧し、規定時間内で圧力低下がないことを確認する試験です。 施工品質の担保として最も強く、配管を新設・更新した後や、 漏れ修理の直後に必ず実施して「以後は漏れがない状態」を保証します。
REPAIR
「補充で終わり」ではなく、この 7 ステップまで通すのが正しい修理です。1 つ抜けると再発リスクが上がります。
WARNING
漏れの根本原因を修理せずに、追加充填だけで終わらせる業者もいます。当社が原則として補充単独をおすすめしない理由を 5 つに整理しました。
漏れの原因を直さずに補充だけしても、時間の経過とともに同じ場所から抜けていきます。1 シーズン持たずに再度効かなくなるケースも珍しくありません。
冷媒フロンは地球温暖化係数が非常に高く、大気放出は法律で禁止されています。漏れを放置して補充を繰り返すのは環境負荷が大きく、法制度上も望ましくない対応です。
冷媒が抜けた回路には空気や水分が入り込みます。真空引きなしで補充すると、水分が銅管内部を腐食させ、次の故障までの期間を短くします。
1 回の補充が数万円かかるケースがあり、それを 2 回繰り返せば漏れ修理 1 回分に迫ります。原因修理をせずに補充を続けることは、費用対効果でも不利になりやすいです。
「まず補充して様子を見ましょう」とだけ提案する業者と、「まず漏れ箇所を特定して修理します」と提案する業者では、修理後の耐久性がまったく違います。ここは業者選びの判断材料の 1 つになります。
FAQ
A. 漏れの量と場所により、確かに 1 シーズン程度もつケースはあります。ただし補充だけでは根本原因が残ったままなので、翌年また同じ量抜けて再費用が発生する可能性が高く、当社では原則として漏れ箇所の特定と修理をセットでご案内しています。
A. はい、可能です。他社で購入・施工されたエアコンの調査もお受けしています。当社では検査結果を写真つきでご説明し、修理・補充・買い替えのどれが総額でお得かをご提案してから作業に進みます。
A. 家庭用エアコンで一般的な冷媒 (R32・R410A など) は基本的に無臭で、通常の使用範囲では健康被害は生じにくいとされます。ただし高濃度で吸い込むと酸欠のおそれがあり、また R32 はわずかに可燃性があるため、火気の近くで大量に漏れた場合は換気が必要です。「臭い」を感じる場合はガス以外の別の原因 (冷媒油の焦げ・カビ・電装焼き) を疑うほうが実態に近いです。
A. 市販のスプレー自体は購入可能ですが、家庭で使う場合は「フレア接続部の露出部分にかけて泡立ちを見る」までに留めるのが安全です。判断や修理は結局プロの領域になるため、無理に配管カバーを外したり内部を触るのは避けてください。
A. 漏れ箇所の修理が同日完了できる場合は、そのまま窒素耐圧試験 → 真空引き → 規定量充填まで一気に進めます。熱交換器交換など部品手配が必要な場合は日を改めてのご案内になります。
A. 漏れ箇所と冷媒種別により大きく変動します。フレア再加工・ムシ交換など軽度な場合で 2〜4 万円、配管修理・ろう付け補修で 4〜7 万円、熱交換器交換となる場合は 8 万円以上になることが多いです。10 年超の機種で 6〜8 万円を超える場合は、本体交換のほうが総額で有利になりやすいのでご相談ください。
LINK
ガス漏れは「冷えない」原因の一部です。全体像や、実際の施工事例と合わせてどうぞ。
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